私が樹木に夢中になったのは、かれこれ15年くらい前のことです。
以前、久米宏さんのニュースステーションで夜桜の特集をしていてちょうどライトアップされた小田原市の入生田の枝垂桜が放映されました。
その美しい光景が妙に心に残り、いつか古木に会いに行きたいと思っていましたが、日常の雑事にかまけてなかなか機会が得られませんでした。
ようやく見に行くことができたのは、それから4・5年たってからでした。
目の前で見た枝垂桜は思いのほか小ぶりの花で、その姿は風に揺れとても見事でした。
あまりの素晴らしさに身も心もブルブルと震えたほどです。
当時は根元を保護する囲いもなく、目の前で見られましたし、幹に触ることも出来ましたが、現在は残念ながらそのたくましい幹に触れることはできません。
距離をおいて見るのと、目の前で見るのとでは、迫力がまったく違い、樹齢300年の樹木の尊厳に圧倒されてしまいました。
すごい存在感とパワーを感じて、言い知れぬ感動を覚えました。
今でもはっきりその状況が脳裏に焼きついています。
ちょうどそのころ、神奈川の名木100選という本に巡り合いました。本の中には、その当時私が、見たことも聞いたこともない樹がたくさんあり、それをどうしても見たい知りたいと、まるで子どものように好奇心がいっぱいになりました。
わくわくして夢中ですべての樹に会いに行きました。
自動車地図にマーカーペンで印をつけ、ほんの少しでも時間があれば、バイクや車で出かけました。
名木・老木・古樹・大樹があるところは、不思議とどの町も土地の人々に愛され守られています。そのため町なかでも自然があふれていて、いつもとても気持ちの良い気分になって帰ってくることができました。
町や村の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
樹木は黙って佇んでいますが、時にものすごいパワーを与えてくれたり、ある時は歴史を語り、昔の知恵や、代々守り続けた人々の愛を教えてくれ、そして樹木は万物への愛を私たちに与えてくれます。
●春は新緑で薄緑の透けた葉が太陽に輝き
●5月から6月は樹木の花の季節・・・目立たない可憐な花をいっぱい付けます。
●夏には力みなぎるパワフルな濃い緑色となり、大樹を見上げると緑の空になってしまうほ
どです。
●花の命が終わると、咲いていた花の形状からは想像しがたい、まったく異なった実となり
私たちを楽しませてくれます。
●秋には紅葉という一世一代のドレスアップをし、美の極限に至ります。
●紅葉が終わるとあっという間に落葉します。その潔さには脱帽!拍手を贈りたくなるほど
です。ぜひ私たち人間もこうありたいものです。
●そのころには次世代への命をつなぐ新しい芽がもう膨らみます。
●葉の落ちた樹木は神秘の美しさがあります。ハダカ樹の天を突き刺す様はとても素晴ら
しく美しいものです・・・・すべてのハダカ木はそれぞれに個性があって全てが美しいです
●樹木の良い所は、季節を問わず地味に見頃があることです。
いつもそこにじっと待っていてくれて24時間営業。私の都合のつく時間に会ってくれる。
私は忙しい人でしたから、自分さえその気になるだけで、いつでもいい気分にしてくれて、 幸せにしてくれて、挫けないように無言で力になってくれたような気がしていました。
当時私は離婚問題をかかえ、現在自分が新しい環境で生きていかれる力を得たのは樹木 のおかげだと思っています。
●樹木を観察すると鳥・蝶・蛾・虫・昆虫・動物・下草の生き物が見えてきます。
知りたくて知りたくて自然を学ぶことはとても楽しいです。そして人生まで感じてくるので す。
●ある日シーダーローズを探しているときのこと 普通にバラの花の形で落ちていれば見つ けやすいのですが
裏返しだったり横向きだったり、ばらばらと種鱗の部分が一緒にドッサリ落ちるのでとって も見つけにくいときがあります。
そんなときは一度立ち止まって後ろを見たり、周りを見直すと目残しが見えてくるんです。
人間も走りすぎたり、一途だったり忙しすぎたりしたら、ちょっと立ち止まって一呼吸 周 りを見てみると見えなかったものが見えてく るに違いありません。それってとても大事だ と思います。
自然は知らないことばかりで、深くて学ぶことが多くて楽しいです。
これからも 自然や樹木から色々なことを教わり、感じて自然を大切にしたいと思うの す。
●ご自分の近くの気になる木を四季を通じて観察してみるのはどうでしょうか?
どこか遠くへ行かなくても良いのです。
庭の木でも、公園でも、街路樹でも、買い物ついでや出勤がてらでも、楽しい発見があり ますよ。
道端の草や生き物にも自然の楽しさを感じて健康的で人生に退屈はなくなります。
自然の虜になった事で、私の人生は有意義で素晴らしいものとなりました。
あなたの新しい発見や疑問を一緒に喜び合いたいです。
そして自然好きな人が一人でも増えたらうれしいです。
ちょっとひとこと!!
ヨーロッパでは教養のある人とは、音楽とか美術を愛して嗜むことと自然に親しみ愛する人だと聞いた事があります。
特に好きな大樹
中川の箒杉
国指定の天然記念物・胸高周囲12m・高さ45m以上(10階建て以上のビルの高さに相当します。)
樹齢2000年以上 紀元前から集中豪雨や災害から集落を守り続け、歴史を見続けてきたこの杉は威風堂々として樹形も美しく神の宿る名木。
幹はもちろんのこと、枝も太く力強い。道路から左の小高い位置にありますが近くまで行けますのでぜひ目の前まで行ってみて下さい)
私の一番好きな名木です。
建長寺のビャクシン
山門と仏殿の間の参道両側にイブキが列植されているが、左側の中央が最大で圧巻です。
樹齢800年以上 幹のねじり曲がった様子は半端なく凄い
近くの溝にはアジアンタムのようなシダがいっぱいあり、こういう水辺が好きなのだなーと感心しました。
鶴岡八幡宮の大イチョウ
樹齢800年 参拝を終えた将軍実朝がこの樹の陰から飛び出した別当公暁により倒されたという歴史的な伝説を秘めた大イチョウ
小学校の遠足ではじめて見たときも凄く感動したのを覚えています。
早朝訪れたときは近くの人や鎌倉に泊まっている観光客が皆でラジオ体操をしていました。昼間と異なった鎌倉の顔を見たようで
ちょっとたのしかったです。 傍に匂いの良い桐の花が落ちていて娘におみやげにと2.3個持ち帰りました。
その時初めてこれが桐の花と知りました。 だって花札で見慣れた花でしたから・・・。
ダイ谷戸稲荷のタブノキ
ちょうど節分のとき初めて訪れました。地元の年配の方々が次々と枡に豆をもって稲荷に参拝に来ていました。土地の人々との生活に刻まれていることを実感しました。 そして93歳の老人が子供の頃このタブの木の枝に登ってよく遊んだことや、今は隣のやぶ椿を幹に巻き込んでいるが、当時はまだ別々の木だったことなど時代の生き証人の話も伺えて嬉しかったです。
残念ながら空洞化のため倒木して今は存在していませんが、まるで壁を思わせるような凄い幹で私のお気に入りでした。
倒木のニュースを偶然聞きましたので、現場に行き惨状を目のあたりに見て、失った悲しみとタブノキの尊厳を思い悲しみが込み上げてきました。
巨木は今無残に物体化してその巨体で隣の家を押しつぶしていました。
それは衝撃でした。そして命あるものは力尽きるということを受け止めなければならない現実がありました。
鶴巻の大ケヤキ
地図を見て近くまで行き、ガソリンスタンドの人に大ケヤキはこの辺でしょうか?
と聞くと、”大エノキだったらすぐそばですよ”との返事に”エノキじゃなくてケヤキです”といった私。
ケヤキの立て札にケヤキは逆さホウキの樹形が多いが、この木はエノキのように大きく枝を広げていることから地元では大エノキと呼ばれて親しまれている。と書いてあった。長年地元の人々に愛され呼ばれ続けた名前に、よそ者の私は恥ずかしくも嬉しくもありました。
宝城の幡かけの杉
日向薬師にある2本のスギに、足利尊氏が平和と幸せ、五穀豊穣を祈ったことから宝城坊の幡かけ杉として親しまれている。
日向薬師はとても自然に恵まれていて、社そう林も豊かでれきしに溢れ、兎にであったり夜はムササビも飛び交うほど素晴らしい自然の宝庫です。
妻田のクスノキ
厚木偏照院の大楠の木
武田信玄が小田原攻めの帰路、社堂に火をかけたときクスノキの片側にも火があったたため、焼けて2mの洞穴になってしまい痛々しいが
樹勢は旺盛でびっくり感心してしまう。
あっちが痛いこっちが調子悪いとグチグチ言う私ですが、あなた様の前に立つとピンとしてしまい敬服いたしております。
自尊寺のナギ
10月初旬 灰緑色の直径1.5cmの美しい実を鈴なりにつけます。
葉は特長があり楕円卵型で20から30本平行脈があり、縦には裂けるが横には裂けないことから、愛する人と持っているとその恋は成就すると言われています・・・どうぞお試しを!周りの側溝にナギのひこばえがいっぱい出ていて、あまり目にしない木ですが旺盛なのでしょうか? 神社によく植えられるそうです。
頼政神社のトチノキ
飢餓の際人々を救った樹齢350年ですが、見上げると空も覆い隠しどんな樹形をしているのか分からないほどどっしりとした母なる樹です。
神社の境内にはカヤの樹もあって、緑の実を拾って車にいれておくとシトラスの香りがして何ともさわやかです。
皮をむくとアーモンドの様な実が出てきますが、これを炒って食べるとおいしいとか聞きました。来年私も試してみます。
私がリースに使うクスサンの抜け殻はここではじめて見つけました。
網目で硬い抜け殻は何だか分かりませんでしたが妙に心に引かれ大事にとっておきました。
長野県に移り住みクスサンである事を知りました。
レースの発想はこんなところから来るのかしらと思うほど、ハードで繊細でエレガントで超お気に入りです。
長興寺の枝垂桜
私が樹木の虜になった出会いの桜です。樹齢300年以上といわれている名木です。
尺玉花火を思わすほどに華麗で壮大です。
一時期樹勢が弱り樹木医が入りましたが見事な枝垂桜で美しさに圧倒されます。
信州ではお墓に覆いかぶさるように枝垂桜がよく植えられています。
枝垂桜が祖先のお墓を守るようにあちこちで華やかに覆う春を、皆待ち焦がれています。
ナンジャモンジャの木
その土地にとって種類や数も少なく珍しい存在で良く分からない大樹を「なんじゃもんじゃ」といって親しまれています。
クロガネモチ・ホルトノキ・ハルニレ・クスノキなど。ユーモラスですね。あなたの土地のナンジャモンジャの木は何の木でしょうか?
*かながわの名木100選による* |